大江戸出世小唄
「下手」です。お三味線も「あれ!」って感じだし、「磯節」なんぞは
「え!、これって何!」です(ただし、彼女は進化しております)。
ただ、表題の「大江戸出世小唄」これは、歌う時代劇スター「高田浩吉」
のフューチャーですよね。これって、女性は歌っていませんよ!このあたり
は、か細い声が生きて素晴らしい。
「俗曲」は、難しいのです。しっかり、豊後や長唄、うた沢や江戸小唄、
そして寮歌や演歌、一番難しい「地方民謡」(でも、これは彼女の声では、
力強さは無理です。むしろ、その「抒情性」を生かしてほしいのに、何故に
「磯節」 「炭坑節」「甚句」などを選んだのでしょうか?)の美しさを
追及してほしいと存じます。
こでまり抄―久保田万太郎句集 (ふらんす堂文庫)
俳句を自分の「余技」あるいは「かくし妻」という万太郎の句集。
俳句というものは、ひょっとすると「余技」としてやったほうがよいのかもしれない。
そう思わされてしまうほど、万太郎の俳句は深く広い。
「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」なんて重い俳句があるかと思えば、「四月馬鹿朝から花火あがりけり」なんていうすっとぼけた俳句もある。
小さな書店ではあまりお目にかかれない本ですが、是非手にとって、ゆっくりと味わってみてほしい句集です。
ちなみに、物理学者の寺田寅彦さんも俳句がとってもお上手です。
こちらも「余技」として、力みのない俳句を詠まれています。