日本の合唱まるかじり
日本を代表する50名の作曲家による50の作品が2枚組みのCDに収録されていますので、これから合唱を始める人は勿論のこと、長らく合唱に関わってきた人にも珍しい作品の鑑賞の機会としてとらえてほしい企画だと思いました。いわば日本の合唱の歴史を聴くことができるものですね。
中学校や高校の卒業式の定番ソングとも言える佐藤眞の名曲「大地讃頌」は、オーケストラ版ですので迫力満点です。磯部俶の「遥かな友に」、大中恩の「わたりどり」、佐々木伸尚の「夜のうた」、中田喜直の「夏の思い出」、東海林修の「怪獣のバラード」など、多くの合唱団の愛唱歌とも言える基本作品は勿論のこと、小林秀雄の「落葉松」、高田三郎の「雨」、團伊玖磨の「みなかみ」、多田武彦の「雨」、清水脩の「月夜」等、それぞれの混声合唱組曲の一番有名な作品が収められていますのでどれも大変懐かしく聴かせてもらいました。
一番古い作品である1900年に作曲された滝廉太郎の「花」から、2005年作曲の坂本龍一の「CANTUS OMNIBUS UNUS」まで、100年以上の歳月に渡る日本の合唱曲の歩みを辿ることが出来ます。勿論、歌っている合唱団は、東京混声合唱団はじめ、一般、大学、高校の団体による日本のトップ集団の演奏ですので、大変素晴らしい水準なのは間違いありません。
難曲ではありますが、日本の合唱曲の水準を高めた林光「混声合唱のための『原爆小景』より 水ヲ下サイ」や、間宮芳生の「合唱のためのコンポジション第1番『混声合唱のためのコンポジション』より I」も収められていますし、その他の三善晃、廣瀬量平、武満徹、池辺晋一郎、荻久保和明、木下牧子、松下耕、高嶋みどり、柴田南雄、新実徳英、萩原英彦、尾形敏幸、小山章三、信時潔、三木稔等の作品が収められており、これらの作品を一同に聞くことが出来るアルバムはまず他にはありません。オススメします。
女子栄養大学の学生食堂 500kcalからの好バランス定食
タニタ食堂と迷いましたが、タニタが副菜2品であるのに対して、こちらは1品。
時間や材料を集める手間を考えると、副菜1品のが楽そうなので、こちらを購入しました。
品数が少なくても、栄養女子大の学食ですから、バランスは取れているかと・・・
レシピは、普段作りなれた家庭料理らしいものが多いので、定番のおかずの本としても使えるかな、と思います。
それで低カロリーであれば、いうことなし!
確かに、多少食材が余ることがありますが、最終頁の食材別の索引を活用すれば、食べきれると思います。
または、お味噌汁に適当にいれて食べてしまうとか。
カロリーは500kal本よりは多いですが、そこまでカロリーに厳密でなくても、低カロリーでヘルシーな食事を、無理せず、作りなれた家庭料理でトライしたい、という方にはおすすめです。
日本合唱曲全集「落葉松」小林秀雄作品集
「落葉松」は歌曲の名作としても知られていますが、混声合唱でも歌われており、多くの合唱団の愛唱歌ともなっています。ここでは、木下保指揮、日本女子大学合唱団の名演奏を聴くことができます。田中瑤子さんのピアノが冴え渡っています。
「落葉松」の抒情性豊かな女声合唱に惹かれます。これだけ魅力的なメロディを持った合唱曲はないですね。センチメンタルでノスタルジアを感じる美しい世界がそこに展開されており、感動的なクライマックスまでとてもよく歌われています。
ア・カペラの『優しき歌』は譜面も簡単でメロディも美しく立原道造の詩と小林の曲とのマッチングが絶妙で、合唱組曲としてとても良くまとまっています。伊藤栄一指揮、東京カントライの演奏も大人の合唱を聴かせており、安定感があります。抒情的な歌詞にメロディアスな曲、合唱作品として歌い継いでほしい楽曲です。
『前奏曲』の3曲は少し難解な部類に入ります。メロディやハーモニーに取っ付き難さを感じますので、アマチュア合唱団がコンクール以外で歌う機会はあまりないでしょうが、この東京カントライの演奏を鑑賞して、小林秀雄の音楽世界を堪能してください。
古橋富士雄指揮、東京放送児童合唱団シニアの演奏による『九州民謡によるコンポジション』も上質な女声合唱曲として、今もコンクールで取り上げられています。演奏するのには難しい曲ですが、若いが経験豊富な東京放送児童合唱団シニアの皆さんの卓越した技術力でいとも簡単に魅力的に歌い上げています。「キンキラキン」「稗搗ぶし」「どんたくばやし」という急緩急という構成で、ピアノが伴奏の領域を越えて音楽を作っています。しっとりとした「稗搗ぶし」は見事な歌唱でした。
自分が変わる!30日ダイエット手帳
人生最大の体重を更新しつづけ、男性並みの体重になりつつあったときに「何かしないと…」とたまたま買ったのがこのノートです。 こんなんで痩せるの?と半信半疑でスタート。
食べたものと行動を書き出すだけですが、1週間続けて生活を振り替えると過食かつ運動不足なのに反省…
生活を見直し1冊終わった時には−3キロ達成!
ダイエットは適度な運動と適度な食事ってことを痛感。
今では12冊目に突入! ダイエットも−11.5キロで目標体重達成です!
このノートはカロリー計算はいらないのに食事のバランスがわかるし、体重・体脂肪率もグラフでみれて体重がちょっと減るとやる気がでます。
今までダイエットに成功しなかったズボラな私がここまで続けられたのは奇跡。
オススメです。
第77回(平成22年度)NHK全国学校音楽コンクール 高等学校の部
先日レビューさせていただいた中学校の部に引き続き、高等学校の部の聴後の印象について投稿させていただく。
今年の課題曲のテーマは「いのち」。高等学校の部の課題曲はテーマ題そのままの曲名「いのち」。作曲は近年合唱曲の名作を
精力的に送り出す人気作曲家である鈴木輝昭、歌詞は現代詩でやはり人気の高い谷川俊太郎のコンビ。二人は過去何度となく
タッグを組み、合唱の名作を数々生み出してきた名コンビである。鈴木氏の得意分野である複雑な和声を駆使しながらも各声部
の掛け合いや終盤へのクライマックスの盛り上げ方、ピアノ伴奏の活かし方等、普段鈴木氏が創る曲よりは若干難易度を落とし
ながらも、谷川氏がことばにした全ての生命の平等さ・尊さを見事な楽曲に仕立てた名曲だと思う。
一方各学校の実力の発揮し処の自由曲だが、今年は何故か鈴木輝昭氏と彼の師匠である三善晃氏による合唱曲を自由曲に選
択する学校が目立った。11校のうち2組(4校)は自由曲が被っている。難易度が高くチャレンジし甲斐があること、演奏映えがする
こと等の理由で偶然集中したのだろうが、聴き手としては海外の新曲も含めてより幅広い選択肢から選んで欲しい想いがした。
本盤に収められたのは各ブロックを選抜された強豪11校全22曲。高校生にもなると合唱活動もサークル単位で本格的に取り組む
学校が多いせいか、全国の参加校から選ばれた11校は共に非常にレベルが高く、もはや金賞受賞校〜優良賞受賞校までほぼ実
力的には横並びと言ってよい印象を受ける。昔の様にピッチの正確さのレベルで順位が決まる段階では無く、ピッチの正確さ・発
声の基礎等は完璧に身についているのが前提のもとで、音楽表現の部分でどれだけ曲の真髄に迫れるか、また各合唱団の個性
にどれだけ見合った自由曲選択をしているかで明暗が分かれるレベルまで上昇している、そんなコンクールのレベルの上昇が明
確に全国大会での演奏に表れている、そんな印象だ。
その中で印象に残った演奏を一部述べておく。
接戦の全国大会を制したのは福島県立安積黎明高。旧安積女子高時代に過去Nコン8年連続金賞を受賞した合唱の伝統校。今
年の自由曲は安積女子高時代に当時の教師菅野正美氏が鈴木輝昭氏に作曲を委嘱した2集から成る大組曲「女に」からの2編。
過去同名の選曲でNコン金賞を受賞しており、当時の先輩方への挑戦といったところだろうか。菅野氏の時より若干硬質な表現と
なっているが、現在の団員の持ち味を見事に発揮した素晴らしい演奏だった。
銀賞受賞の杉並学院高は混声合唱団だが、プロの合唱団にも劣らない男女声の安定感・柔らかな発声と丁寧な表現は見事だ。
特に自由曲「木とともに 人とともに」は彼らの個性をうまく発揮した清々しい演奏で鳥肌が立った。
そして個人的に注目したいのが、今回全国大会初出場で見事銅賞を受賞した豊島岡女子高。ここの女声独自の柔らかさ・丁寧な
発声を最大限に発揮した課題曲「いのち」の演奏は出場校の中で最も気に入った。また割と自由曲に新曲が並ぶ中、三善晃の19
62年の古典合唱組曲「三つの抒情」からの選曲も彼女達のカラーに絶妙に嵌った名演奏だ。何処か菅野氏時代の旧安積女子高
を彷彿とさせる女性固有の艶ある柔らかい表現は魅力的で、来年以降の活躍が楽しみ。
その他緊張したであろうトップバッターでありながら、松下耕によるドラマチックな合唱ワルツ「詩人の最後の歌」での力強い表現が
圧巻な香川坂出高や、高嶋みどりのクラシック「霧明け」での丁寧な発音と清らかさが印象的だった宮城三桜高等、各合唱団のカ
ラーにうまく嵌る自由曲を選択した学校群の演奏に特に心を打たれた。
年々レベルを上昇させるNコン高等学校の部、来年はどの高校が栄冠に輝くか早くも楽しみだ。