告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
今、話題の小説である。割と大きな書店に行けば、必ずと言っていい程目立つ箇所に、煽情的な売り文句と共に平積みされている。随分前に購入していたのだが、出だしの挑発的な文章に中々読み進む気が起こらなかったが、ようやく読了した。
物語は、とある中学の一クラスの終業式の日、その日を最後にある事情から退職する女教師の驚くべき告白から始まる。彼女の仕掛けた“罠”に翻弄される当事者とその周辺の者たち。チャプター毎に語り手が替わり、この反社会的かつ反倫理的で暗鬱に満ちた世界が創出、連環されていく。
確かに面白い。嫌悪感を抱きながらも、彼らの独白ぶりについつい引き込まれてしまう。でも、何なんだ、この殺伐さと悪意の結晶は。
子供の深層心理がメインに扱われているが、ここに登場する者たちの、正にグロテスクでデフォルメされたエゴと自意識の肥大化は、現代人が潜在的に持ちあわせているような“負”の部分で、それが何らかの拍子に臨界状態となり噴出する事への恐怖を感じながら、ラストの救いのなさと後味の悪さに辟易してしまった。
文学の世界である。どんなに暴力的であっても反社会的であってもいいが、この陰湿さはどうも、ね。
ふがいない僕は空を見た
なんなんだ、このザワザワ感は。共感できるようで、なんか違うと感じる。自分の心の奥底になんかあるようで、つかめない感覚。そこをチロチロと触られているような。不快なのか、快いのか…。わからない。読むべきか、と言われれば、よむべきだ。面白いか、と問われれば、わからない。これは面白いという感覚ではない。なんなんだ。
手紙~親愛なる子供たちへ~
帰宅途中の車の中で初めてこの曲を聞きました。
認知症だった祖母や、現在癌とたたかっている父の姿が曲と重なり、いつかは自分もそうなるであろうことを考えるととめどなく涙が流れました。
自分の子どもが大人になったら聞かせてやりたい曲です。