木下惠介 DVD-BOX 第6集
木下恵介「野菊の如き君なりき」(1955)
民子が嫁ぐため、花嫁衣裳に身を包み、人力車に乗り込むのだが、そこでふと空を見上げてしまう。すぐに周りから花嫁はうつむいているものだ、と注意されて下を向くシーンが泣かせる。ウン十年前、中学時代、学校で見に行ったものだが、横目で盗み見ると、私が好きだった娘も恥ずかしそうに目を赤くしていたっけ。その二つ情景が脳裏にダブる。
Lonely Planet Sri Lanka (Sri Lanka, 8th ed)
あまりガイドブックが売られていない地域を旅行する場合、ガイドブック購入の選択肢となるのが「地球の歩き方」とこの「Lonely Planet」かと思われます。
Lonely Planetの長所は情報の濃さで、個人的にはポイントを押さえた交通機関の情報が役立ちました。ただし当然ながら欧米人好みのエキゾチックネタや息抜きのできる場所の情報が多く、ショッピング情報は比較的寂しいです。観光情報は地球の歩き方と大差ありませんが、視点が違うように思います。またLonely Planet全般に言えることですが、写真が少ないので実際の場所の様子が分かりにくいのが難点。しかし読み物としては抜群に面白く、いろいろな角度からスリランカの情報が得られるだけでなく、世界中からどのようなルートで入国できるかが分かるなど、Lonely Planetならではの楽しみがあります。また他国の人がどんな旅行をしているのかを知るのにも有効。比較的簡単な英語で書かれているので、個人旅行で多少英語のできる人はLonely Planetを持っていくのも悪くないのでは。
国をつくるという仕事
著者のことは、雑誌「選択」(おすすめです)で知っていて、僕がこの雑誌を読み始めてまもなく、ブータンの雷龍王のエッセイを読み、いたく感動したのを強く覚えています。その「選択」に掲載していたエッセイをまとめたものが本書です。
世銀の副総裁であった著者の、各国(特にアジアの諸国)での随想録となっています。茨木のり子を彷彿とさせる著者の文体に、強い愛着を感じながら読みました。
珠玉ともいえる本書の中で特筆すべきは、ブータンに関するエッセイたち。僕がこの本を購入した理由もまさにここにあったわけですが、ブータンの雷龍王こそ、指導者のロールモデルだと思います。
思慮深さに裏付けられた知性と結びついた思いやりが余すところなくあらわれる行動、いつも自己省察を続ける真摯な姿、さらには民衆の盲従を避けるために自らすみやかに王位を去る潔さから、各国の指導者たちは多くを学ぶべきだと思います。雷龍王の人間性は国民に深く浸透し、ブータンで出会う国民の多くが素晴らしい人々であったと、著者は回想します。
さらに「さすが」と思ったのが、インドのブータンに対する態度。インドは人口70万人にもならないブータンを、大国に対すると同じ礼をもって遇しているそうです。これは、ネルー首相時代からのことで、現マンモハン・シン首相にも共通しています。国を遇するにおいて、その経済力や軍事力でなく、純粋な徳をその土台としているという点において、ガンジー以来の伝統を確かにインドは受け継いでいるのだと感じました。
(ちなみにインドの人々がが人物を徳を基準に評価する伝統は、ブータン以外の例にも見られます。元々インド人ではなく、かつヒンズー教徒でもないマザー・テレサを「偉大なインド人」第1位に選出したのも、他ならぬインド人でした。(ガンジーは国父なので、この投票から除外されています))
本書の印税のすべては、ブータンの王妃が運営をするNGO、タラヤナ財団に寄付されています。著者いわく、このNGOは、経費を最大限に切り詰め、可能な限り寄付金を実際の貧困削減に充てているそうです。こういうNGOに対しては、NGO本体に寄付をするのが最も妥当であるにも関わらず、プロジェクト以外にファイナンスをつけられないのが多くの援助機関の弱点であり、だからこその著者の印税寄付なのでしょう。
怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)
人とぶつかることはまずないが、それは自分の中の怒りを必死に封じ込めているからだと自覚している私は、実はものすごく短気でもある。理不尽なニュースに怒り、世界情勢に怒り、自分の鈍さにも怒る。そんな自分を自覚しているので、この本を手に取ってみた。結果…。読み始めてすぐから内容に怒っていた。「自分には無理だ」と。怒りに正しいものはない、怒りは体を壊す、怒りは自分次第、怒りを「抑える」「我慢する」は大間違い…。納得できる様々な内容も書かれている本書。
しかし、この世界でそれを実行すれば、どこまでもお人好しとしていいように使われてゴミのようにポイ捨てされてズタズタになるだけ。「怒らないこと」は私には無理だとわかった。私には怒りを抑えることしかできない。必死に我慢することしかできそうにない。「何かをされても怒らない」なんて絶対に無理だ。それを自分に課したら、そのストレスだけで精神が壊れてしまいそうだ。早死してしまいそうだ。私は私のエゴを捨てられそうにない。それがわかっただけでも勉強になった。
ただし、「怒りではなく問題をとらえる」ことは、実行してみたいと思う。怒りは物事を見る目を曇らせてしまうだろうから。それから、ここに書かれている「怒り」は、腹を立てて怒ることだけを指しているのではなかった。「退屈で嫌だ」といった感情も「怒り」の一種なのだという。そのほか、すべてのマイナスの感情は怒りなのだという。「怒り」の定義について、もう一度考えてみたい。
ブッダの教え 一日一話 (PHPハンドブック)
コンビニで手に取り、無意識にめくったページに今までの自分の間違いが指摘されていました。
今まで自分足りないと思っていたものは、知識ではなく、智慧であること。
自分を苦しめていたものは自分自身の妄想であること。
過去にとらわれず、未来を妄想せず重要なことは、ただ今であること。
今までだったら、腹が立って仕方がなかったことも、アバウト5分の1程度の軽さに思えてきました。
仕事以外のストレスが多く、自己啓発本、スピリチュアル本を読み漁りましたが、
この一冊にめぐり合えたことに深い感謝を致すとともに、長老さまに敬意を表します。
現在、心を清らかにする気づきの瞑想法(DVD付)〔新装版〕にて修行の毎日です。