ラッキー・ユー 特別版 [DVD]
ラブコメ映画かなと思ったら、まぁ、ラブストーリーも含まれますが、主人公のギャンブラーとしての生き様を軸に、親子の確執や主人公自身の成長などなどが描かれます。
また、ギャンブル映画ではあるのですが、ギャンブラーの、悪魔に魂を売ったような生き様が描かれるわけでもなく、「シンシナティ・キッド」や「ラウンダース」なんかと比べても、ギャンブル映画によくある雰囲気ははかなり薄いです。でも、押さえるところは押さえていますがね。
父親でも師匠でもあるL.C.(ロバート・デュバル)との対決という定石もキッチリ押えられ、ふたりのやり取りが面白い。父親役のロバート・デュバルが渋く素晴らしいです。
ドリューはやっぱり可愛い役どころで、ジャズクラブの歌手役で、ヘタではないけど上手いとも思えない(?)歌も披露してくれます。(笑)
主演のエリック・バナがカッコイイ。私にとって彼のイメージは「ハルク」で、太っちょのイメージだったのですが、背が高く随分スマートでイケメン風。ポーカーのチップを手の中で器用に操る小技も見せてくれます。
ポーカーの心理戦の見せ方は秀逸だったですね。各人の表情、手札、チップ、観衆へのカメラの緩急をつけた切り替えの上手さ。最近の映画だと「007・カジノロワイヤル」のポーカーシーンも結構緊迫したけど、ドキドキ感は本作の方が上だと私は思います。
ただ、一応ポーカーのルールを知らないビリーにルールを説明しながらプレイするシーンが出て来ますが、ポーカーの役の種類、どの役がどの役より強い等の基本を知っていないと、ハラハラドキドキどころか見せ場のシーンでさっぱり意味が判らなくなってしまうという部分はなきにしも非ずかも。
あと、亡くなった母親の形見の指輪に関するエピソードは中々よかったですね。話を展開させる小道具としても、アクセントをつける隠し味としても、面白い効果を上げていた。