パンツのはきかた (幼児絵本シリーズ)
表紙に出ている、ふくふくしたピンクのブタさんが、パンツの正しいはきかたをていねいに教えてくれます……。
「パンツはね」から始まる、とてもテンポのいい文章。うちではすぐに覚えてしまいました。佐野さんの描く、まるっこいブタさんの愛らしさと、岸田今日子さんの大爆笑の仕掛け!
お二人とも亡くなってしまったけれど、これは新しい名作として残ってほしい。2007年『子どものとも年少版』のハードカバー化。
あの頃映画 松竹DVDコレクション 「この子の七つのお祝いに」
うれしくて、今狂喜乱舞している、今までなぜ出なかったのか、きっと大人の事情なんだなーと思って諦めていたとこだっただけに感激している。
これを観ずして日本パラノイア恐怖映画をかたるな、しかしながらこの映画はストーリーはメチャクチャである、「そんな都合のいい話あるわけねーじゃん」「なんで数十年前のシーンを同じ役者がやるんだ」とつっこみたくなるところだが、そんなことは出演陣の演技のすばらしさの前ではふっとんでしまうさー、特に「岸きょんさん」のキ○ガイぶりには何回観てもインパクト大だ、子供には決して観せてはイカン、夜泣き・寝小便必死だ、ムーミンを観るたびにカブってしまうよーん、「志麻さん」もこれまたすごい、カンナ棒での殺戮シーンは和製では珍しいスプラッターぶりだ、「根津さん」はただただカッコイイねー、しかし違う意味でこわーいシーンが存在する、それは・・・志麻さんの高校時代の写真だよーん。
死者の書 [DVD]
川本喜八郎さんの人形が素晴らしいですね。死者の書(折口信夫)は難解であるが故に映像化は不可能と言われ続けていましたが、このテの手法がありましたね。内容については前の方が詳しくレビューしていらっしゃいますので省きますが、私も語り部のお二人とCVの江守徹さん、観世銕之丞さん、宮沢りえさん、榎木孝明さん達の静かで力強い語りが素晴らしいと思います。
大人にしてあげた小さなお話
こんなところに!という本との出会い。ずっと昔に蒔いた種。何を植えたのかも忘れてしまった。芽も出ないで静かにしていたのに、ひょんなことで地面を掘り返されてしまった感じ。もう芽は出ないけれど、忘れてしまっていた苦い記憶、照れてしまう記憶、ドキドキした記憶も思い出されてくる不思議感覚。作家のもつイメージを裏切らない本です。
妄想の森
しばらく増刷する予定はないのでしょうか。雑誌「一枚の繪」に連載されていたものをまとめたものだそうです。表紙の絵はマグリットの白紙委任という題名の絵だそうで、本当なのか幻想なのかそのどちらでもない、これから読者を妄想の世界に誘う女性としてぴったりだと思います。エッセイも絵や工芸品など、岸田今日子さんが日々の生活でちょくちょく触れていたのであろう作品がたくさん出てきて興味が湧きます。グルジアのピロスマニの絵は特にすてきだと思いました。エッセイとしてもなかなか読み応えがあります。私が特に好きなのは、今日子さんの頭のなかで語り合う京都の架空の夫婦の会話。口に出して読んでみたくなります。なんともいえない味があります。こういう本はいつまでも読まれてほしいなあ。