クレイジーボーイズ (角川文庫)
楡修平の作品は初めて読んだ。
読んでいてそれなりに面白いし、話もわかりやすく文章も平易で読みやすいので、万人におすすめできる作品。
でも粗が目立つ。
中盤まで取り立てて頭のいい言動を見せなかった主人公が、ある時点でページをめくった瞬間に、
いきなりサスペンスに出てきそうな知能犯に豹変したり・・・。
日本の世論は技術者や研究者に冷たいっていう設定が出てくるけど、
昨今の技術者の訴訟に対する反応を見ている限り、技術者に同情的であることが殆どだ。
経済ネタや株ネタでリアリティを高めているのに、こういうところでチグハグな印象を受けるんだよなぁ。
主人公の焦燥感を高めるための舞台準備があまり上手くない印象。
父親が殺され、生活が困窮していく中で、
追い詰められた平凡な少年が復讐とこれからの人生のために、どんなcrazyな手段を取るのか、
読みながらかなり期待していたんだけど・・・意外と浅い手段だった。
しかし、戦術した通り、分かりやすいエンタメとして十分評価できるので、
ライト感覚にエンタメ小説を読みたい人にはおすすめできる。
クレイジー・ボーイズ
水素自動車関連の特許について、会社と抗争中の父親が殺される。
主人公は、仲間とともに、犯人探しに乗り出すが、その背後には、巨大な敵が。
主人公たちは、犯人にたどり着けるのか、そして特許と主人公達の運命は・・・。
日本とサンフランシスコを舞台とした物語です。
ストーリも単純で登場人物も少なく、善悪はっきりした、読みやすいエンタテイメントでした。ボリュームがある本でしたが、かなりのスピードで読めます。
舞台となったサンフランシスコの描写が魅力的でした。