魔法騎士レイアースBEST SONG BOOK
アニメ版「レイアース」は3パターンあったOP・ED曲がどれも作品のイメージに合った「前向きに困難に立ち向かう」というテーマで統一されているので聞いていて気持ちが良いです。
特に「ゆずれない願い」は100万枚突破の売り上げを記録したくらいで万人に受け入れられる名曲です。最終OP曲である「光と影を抱きしめたまま」はアニメの2部の、原作とは異なったオリジナル展開の内容に非常に合っていると感じました。アニメのOP画像と共に流れるのは必聴、いや必見ですね。
海ちゃんは主人公3人の中では最もいい歌を歌っていて「いつか天使になれる」もオリジナルソングブックのパート2に入っていた曲も好印象です。持っていて損の無い1枚だと思います。
シャーロック・ホームズの算数パズル (やさしい科学)
シャーロックホームズの話に関連しながら出てくる問題を、子どもと一緒にじっくり解いています。週に2題くらい。「集中力」、「自分で解法を考える執念」、「論理力」を養えるよい本に出会ったと喜んでいます。
殯の森 [DVD]
昨年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞した河瀬監督作品待望のDVD化です。 主人公しげきが妻を失ってから33年間どういう人生を生きてきたのかが分からないので、物語の世界に入りにくいという向きもありますが、33年間何かに執着し続けることがおかしいという理由も(それがその人にとって本当に大事な人・事である場合)ありません。 生きる意味を追求する強さよりも、現世での物質的な豊かさを追求するためのテクニックが礼賛される現代社会においては馬鹿げたことに見えるというだけのことでしょう。 この不条理な人間社会を一旦離れて、もっと不条理、あるいは不思議な自然の世界に(自然は人間のために存在しているわけではないので人間社会よりも多くの不条理を含んでいると思います)身を浸して己の生を実感してみる−。 そういったことを受け入れられる人にとってはこの作品は素晴らしい贈り物です。
美しい緑の大地と稲の穂を揺らす風、冷たい水の流れと温かい炎の揺らめきー。 河瀬監督は心憎いまでにこの世界の原風景を描写します。 私が一番好きなのはしげきがあくまでも川を渡りきろうと遮二無二突き進んでいくときに、真千子が恥も体裁もかなぐり捨てて泣き叫びながら彼を止めようとする場面です。 彼女の魂の叫びにしげきが反応し、はじめて人と人との間に絆が生まれる瞬間を見た時、涙が湧いてきました。 インターネット社会においては忘れられがちですが、他人同士の絆って、本来こういう極限状態を経なくては結べないものだと私は思います。 ただその時にしげきが“ゆく川の水は絶えずして”という方丈記の一文を引用するのはどうかと思いました。 言いたいことは全て映像で伝わっているのだから、そこにわざわざ権威化している古典の文章を貼り付けるのは要らぬ装飾だと思うのですが。 そんな細かい事はともかく、日本映画が久しぶりに放った“豊かな生”を実感させてくれる傑作だと思います。
コスメティック・ルネッサンス~ノエビアCM HITS!~
かなりいいです、これ!数あるカバーアルバムの中でもトップクラスの出来じゃ
ないかと。それぞれの曲が歌手の個性に合わせ良く考えられたアレンジになって
いるので感心します。狩人、西城秀樹、マリーンの歌うカバーが、特にお気に入り。
彼ら独特の世界が出来上がっています。
オムニバス・コンピレーション・トリビュートものが好きで、カバーもよく聞く
自分ですが、なかなか満足いくものは少ないです。が、このアルバムには大満足!
まだあまりカバーが流行っていなかった当時、TVのCMでかかっていた時には
衝撃的で、サワリだけじゃなく全部聞きたいと思ったものでした。
残念なのは、その後、第2弾のアルバムが出ていないこと。
甲斐よしひろ、もんたよしのり、柳ジョージ、森進一・・・彼らの名カバー曲は
どこへ行ってしまったんでしょう?どうしても聞きたいのに・・・。
埋もれさせてしまうなんてもったいない!ぜひ第2弾を!!!
萌の朱雀 [DVD]
弱冠26歳でカンヌ新人監督賞を受賞した劇場映画第一作目。
映画技法としてはかなり未熟な点もあるが、その込められたその想いがじわじわと伝わってくる秀作。
吉野の山村に住む高校生みちると、その父母と祖母、父の姉の息子、が主な登場人物で、
物語は考え込むような複雑な心理劇ではなく、意外に素直に入り込める。
ただ、何気ない台詞を少しでも聞き逃すと、人物の関係や物語の結節点がやや分かり難くくなる。
この点がこの映画を見るときのポイントになるのかもしれない。
最新作「殯の森」の主演女優・尾野真千知子が演じる高校生みちるが初々しく、父親役の
國村隼も寡黙で孤独な人生を生きる父親を的確に演じている。
素人の俳優が中心になっているため、よく見るとぎこちなく見えるシーンも多々あるが、
そもそも河瀬監督は俳優に「上手く演じさせる」というスタンスを採っていないので、
それが解ればこの映画に対する見方はすっかり変わる。
訓練や演出の追い込みによって役者の演技を引き出すのではなく、その瞬間のリアリティー
を最大限に抽出しようとする直感的な意思を感じさせるタイプの監督なので、ふっと表れる
その場の空気を非常に大切にしている、ということが映像からも伝わってくる。
そういう意味で河瀬監督は、細部を丁寧に作り込む現実的な技巧派ではなく、いわば
「映像の向こう側」にあるものの比重が大きく、独自の世界を持っていることが分かる。
映像は「目に見える世界」がすべてだが、観客はそれぞれの心のスクリーンに
その映画を写し換えて見ている。
それぞれの人の想いが投影されることによって、ようやく映画は完成する。
映画の時間は観た人の中でそれからも続いていく。
自分にとっていい映画とはそういうものではないだろうか。