ウォール街 [VHS]
経済の中心地ウォール街、野心に燃え一攫千金夢見るまだまだ若造証券マンのバド(チャーリー・シーン)、カリスマ成金富豪のゲッコー(マイケル・ダグラス)、非情なまでのマネーゲームがスリリングに展開するサクセスストーリーにわくわくっ。栄光と挫折、束の間の夢、親子の絆。バドの父親役にマーティン・シーンがなかなかいい感じ、親父と息子っていいな~、実生活でもチャーリーは父親のマーティンに世話になりっぱなし(尻ぬぐいともいうべきか…)らしいが、本当にいいお父さんじゃないか~と感動しちゃった。ゲッコー役のマイケル・ダグラスはやり手の男をエネルギッシュに決めている、ファッションもばっちり!「ジュエルに気をつけろ」のあんな男を演るとはこの時は想像もしなかった。
ウォール街 [Blu-ray]
金融地区として知られたウォール街を舞台に
若い証券マンが大手投資家と組んでのし上がっていく話。
ノルマやプレッシャーに苦しみ、出世を願う主人公が
貪欲な投資家にしごかれながら大きく成長していくのが面白い。
株の仕組みをある程度知っている必要はあるが、
スピード感のある展開と投資家の迫力が伝わってくる。
1987年公開の古い作品だが、今でも遜色なく楽しめる名作。
史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか
米サブプライムローンバブルを検証する本は既にたくさん出ているが、どれも投資銀行の経営者やFRBなど、誰かを悪者に見立てようとする傾向がある。本書はバブル崩壊に逆張りしたヘッジファンドのトップを主人公に据えてはいるものの、決してその成功の安易な賞賛や、彼らのカウンターにいたリーマンやメリルといった投資銀行をこき下ろしに走るわけでもなく淡々と述べ、またポールソン同じポジションを取ったにもかかわらずさんざんな目にあった投資家たちも同時に登場させることで、2000年代の金融という産業がどのような場所であったかを、克明かつ俯瞰的に描くことに成功している。
興味深いのは、サブプライム金融危機にかかわったプレーヤーたちに善悪の線引きなどできるものではなく、「誰も悪くなかったが誰もが少しずつ悪者」であったことが明らかにされていることだろう。ポールソンは確かに逆張りで史上最高の収益を稼ぎ出した。しかしその収益は投資銀行にゴミのようなジャンク債を詰め込んだCDOをわざわざ組成させ、そのCDSをポールソンが買って「収益を上げさせてやる」ことによって雪だるま化したものだ。つまりポールソン自身もバブルの発生とその盛大な崩壊のマッチポンプ役をかって出なかったわけではないのである。また、彼を含む主要プレーヤーの多くがHBS出身者であることも、同様に興味深い。米国のメディアにおいて「ビジネススクール出身者が牛耳る〜」といったお決まりの批判が上がるとき、それは明確にHBSを槍玉に挙げているのだということがはっきりと分かる。では、諸悪の根源はHBSなのか?否。彼らとて、ただ単に学生にファイナンスの手法を教えただけである。誰もが悪くない。だが、誰もが少しずつその巨大なカタストロフィーに手を貸していた。
この本のもう1つの魅力は、複雑で難解に思える最新の金融商品の仕組みや技術を驚くほど分かりやすく解説してあることだ(CDOやCDSといった仕組み債に関するこの本の解説のわかりやすさは、恐らく筆者がポールソン自身から解説をたっぷり聞かされたことによるものだろう)。金融についてはまったくの素人だという人にとっても、2000年代の金融業界とは何だったのかを理解し、俯瞰的に振り返るための良き杖となるだろう。
Ost: Wall Street
オリヴァー・ストーン監督『ウォール・ストリート』のサントラ。
スコア&歌曲の、全12曲。
映画本編では30曲ちかい挿入歌が使われていて
ガヤガヤとした印象ですが、
このサントラではブライアン・イーノの楽曲を中心に
いい意味で「こじんまり」とした構成になっていて、
マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーの人生観が垣間見える
バランスのとれたアルバムになっています。
収録曲名とアーティストは以下のとおりです。
1.PRISON - Claig Armstrong(スコア)
2.HOME - Brian Eno & David Byrne
3.LIFE IS LONG - Brian Eno & David Byrne
4.SLEEPING UP - David Byrne
5.STRANGE OVERTONES -Brian Eno & David Byrne
6.MONEY - Claig Armstrong(スコア)
7.MY BIG NURSE - Brian Eno & David Byrne
8.HELICOPTER REVEAL - Claig Armstrong(スコア)
9.TINY APOCALYPSE - David Byrne
10.LAZY - David Byrne & Patrick Dillett
11.I FEEL MY STUFF - Brian Eno & David Byrne
12.THIS MUST BE THE PLACE (NA'VE MELODY) - Talking Heads
世紀の相場師ジェシー・リバモア (海外シリーズ)
絶版で入手困難となっていますがやっと発見。
リバモアの名前は29年恐慌時の空売りで知っている程度で、「常に人の逆を行く逆張り」スタイルと思っていましたが本書を読んでとんだ勘違いと判明。
リバモアの投資方法は(上下双方の)トレンド転換点をとらえ大きく投資するという典型的な順張り。取り組む銘柄は主力株、ファンダメンタルズは関係なし、取り組む時点の株価が割高割安も関係なし、とにかく徹底的に流れに乗ることだけに集中。
「貪欲」「恐怖」「希望」という客観的な判断を曇らせる感情抑制の重要性を説くリバモアの実生活は収入相応に派手ではあるが、真の目的は蓄財そのものよりも相場を読み解くことのほうにウェイトがあったかのよう。
何度も破産しながらその度に立ち上がりまた相場に向かう。わたし自身はサラリーマン投資家で株は「副業」、リバモアのような投資スタイルにそっくりならう訳には行きませんがその刹那的な生き様から本書がデイトレーダーの愛読書としてもてはやされる理由はよくわかりました。
タイミングをとらえ、感情を抑制する。わたしも永く投資を続けて行きたいと思っているので時々読み返してみようと思います。さがしても読む価値あり。