TELEPHONE
いわゆる歌謡曲(=暗黒)時代の中でも、実は意外に聴ける一作。
時期的に山本恭司のソロアルバムHorizonと重なっており、山本のメタリックなギターが
楽しめる。このあと、ややオーバーエフェクトになりぐちゃぐちゃした音になってしまう
ので、あの官能的な(個人的に山本のキャリアの中で一番、素晴らしいと思う)音が好みな
人にはたまらないだろう。
矢沢透プロデュースという、訳が分からない状況の中で、精一杯、彼らなりのハードロックを
表現している。
一般的には次作のHard Dogが復活の一作とされているが、実は今作でも十分にハードロックを
聴かせてくれる。歌詞が恥ずかしいのには目をつぶりましょうw
ゴールデン・ベスト
アリスといえば私が中高生のころにヒット曲を連発していた。そして、ファンだということを公言するのはちょっと恥ずかしいことで、テクノポップとかが好きだと言っていたほうがおしゃれというか洗練されたセンスを持っているとされる雰囲気があった。
聞きなおしてみて、フォーク、さらには演歌に通じる曲調をまざまざと感じたのも事実である。が、それのどこが悪い?フランス人がシャンソンを歌い、アメリカ人がカントリーを歌い、黒人がジャズを奏で、日本人が演歌を歌う。ごく自然なことではないか。
とにかく、ジャンルを超えて、名曲ぞろいであることに異論を呈するのは難しい。
エンドレス・ロード(紙ジャケット仕様)
アリスの3枚目のライヴ・アルバムです。
1977年3月25〜28日、新宿厚生年金大ホールにての収録(ライヴは24日からの5日間)です。
アルバムの構成は、4日間からの抜粋を2枚のCD(当時は4面のレコード)に編集したものになっています。
『今はもうだれも』から『さらば青春の時』までのシングル曲は勿論、初期の名曲も聴けます。
また、リサイタルらしく、それぞれの「個人コーナー」を含むソロの楽曲が11曲演奏されています。
LPのライナーノーツには「ステージ構成・セット・演出、今迄のフォーク・コンサートの概念を根底から覆すもの。…アリスの長い間の努力の結実が広いステージいっぱいに展開され、遂にここまで来たのか…」とあります。
チンペイさんは「6年前から遠くの方に見えていた光が、少し大きくなってきたような気がします。振り返りません…何もない遠くを目をこらしながら歩いてゆきます」と寄せています。
2ndアルバム『ALICE II』で見ていたあの光はもう目の前です。
ここまでをアリスの前期とするならば、まさにその集大成と呼べるアルバムであると思います。
ALICE IN KOBE 2001.1.17 [DVD]
数々の名曲を多くのミュージシャンに提供し、日本ポップス界の大御所たる地位を不動のものとしたチンペイこと谷村新司。情にもろく、浪花節の個性発揮で、いまや演歌の(?)シンガーソングライターの風格を漂わせるベーヤンこと堀内孝雄。この2人がキンチャンこと矢沢透のドラムに乗せてアリスに帰っていく。アリスのミュージックがあったからこそ、私たちの青春は輝いていた。アリスのメッセージがあったからこそ、あんなこと、そんなこと、色々な体験があった。解散―あれから20年。今、ふたたび彼らのコンサートに触れると、その感慨がこみ上げてくる。あの頃の歌が20年間それぞれの人生に裏付けられて、深みを大いに増していることに感動する。みんな一緒に人生の年輪を重ねてきたんだ。そんな青春が今でもよみがえってくるんだ。ステージにいるのは谷村先生や堀内先生ではない。チンペイ、ベーヤン、キンチャンだ。
Light Mellow和モノ669―Including city pops,J-AOR,Japanese mellow groove and more… (MYCOMムック)
70年代からの、いわゆるニューミュージックと言われていたアルバムなどを中心に紹介されていますが
いろいろなアーティストのアルバムを知る上でジャケット写真が掲載されているので便利です。
ただ、それほど広いジャンルではないのに、ピックアップされたアーティストの偏りが多い気がします。
ひとつのアルバムから、Light Mellowというカテゴリー?でのおすすめ曲をピックアップしていますが、
こちらも選者の趣味だな、と言うことで読んでいればいいかなあと思います。
アルバム発売時でなく、後にそのアルバムに接して聴いた感じの選曲が多いように思えます。
言い換えると、選者がさらりとアルバムを聴いてみてLight Mellowという印象でピックアップした感じで、
あまりアルバムを聞きこんでいないのかなあという取り上げ方も少なからず感じました。
一番、気になるのはCDとして既発売かどうかの表記が、過去にCD化されていたものを未CD化扱いしているものも少なくなく
(LPとして発売されていたものに関してはいいのですが)
気に入ったアーティストの昔のCDを中古などで探すときに、廃盤扱いと未発売扱いではかなり違うので、中古探しの指針にはなりづらいというのが本音です。