アポロ13号 奇跡の生還 (新潮文庫)
アポロ計画に関する一般向けの本の中では技術的な記述が比較的多い本だが、そのせいかどうか事実をだらだらと垂れ流しているような印象を受けた。宇宙空間での絶対絶命の事故からの奇跡的生還、という最高にドラマティックな事件を、これほど平板に語れるのは逆に凄い。
終り方も唐突で余韻も何もなく、尻切れトンボと言っていいくらいで、もしかして抄訳かとも思ったほど。作者名よりも訳者(しかも下訳は別人)の名前が大書されたカバーが語るとおり、内容よりも訳者のネーミングで売ろうと言う本なんだろうか。
ジム・ラベル&J・クルーガーの「アポロ13」は逆に語り過ぎという感があるが、アポロ13のミッションについて知りたい向きにはそちらのほうがお勧め。
アポロ13 【プレミアム・ベスト・コレクション1800円】 [DVD]
危機的状況に陥った時に困難を乗り越えていく物語としては、非情によく出来た映画です。結末はわかっていても手に汗握る展開でロン・ハワード監督作品としてはアケデミー賞を受賞した「ビューティフル・マインド」よりもこちらの方が良かった。むしろ家族関係などの描写はもっと最小限にしてひたすら困難に立ち向かう男たちの物語にしてもよかったのではないでしょうか。ただし、実話の映画化ではありますが、ジム・ラベルの原作を元にしているので、ジム・ラベルがヒーローになりすぎていて、スワイガードの落ち度を示唆する描写があった点が気になります。トム・ハンクスをはじめ、ケビン・ベーコン、ゲーリー・シニーズ、ビル・パクストンなど出演者は適役で熱演ですが、なんといってもエド・ハリスの格好良さが抜群でした。
アポロ13号の真実 [VHS]
アポロ13号といえば、人類がはじめて月にたった歴史に残るロケット。
物語は、もう、すでに、そこで完結してしまったようなイメージがある。
しかし、現実の世界には、続きがある。
この映画は、「その後」、の物語だ。
アポロ13号が月に到達した時点で、世間はすでに、「祭りの後」的ムード。
もう、宇宙へ行く必要はないんじゃないか、という人さえいる。
そんななか、トム・ハンクス演じる船長以下、クルーのメンバーは、アポロ13号で、ふたたび、月をめざす。
まわりのテンションが下がりつつあるなか、モチベーションを保ち続けるのは、なみたいていのことではない。
いくつかのアクシデントのなか、ようやく、アポロ13号は、月へ向かうのだが……。
アポロ13号は、一度目は、月を征服するために、物語の主役になる。
そして、二度目は、宇宙から生還(サバイバル)するための……。
NASA宇宙史における「輝ける失敗」とよばれた、宇宙サスペンス!
APOLLO 13 (LOST MOON MOVIE TIE-IN)
映画はとてもすばらしかったのですが、原作の日本語訳の出来に納得がいかなかったので、原書を読んでみました。ノンフィクション作品としての内容の掘り下げ方は申し分ないのですが、読み物としては文体にリズム感がなく、迫力の乏しい作品になってしまっているのが残念です。