敗れざる者―ジョージ・フォアマン自伝
素晴らしい作品でした。すぐにビデオも買いましたが、彼の笑顔を見ているだけで、こちらもにこにこ顔になります。自伝のほうは訳がもうひとつです。フォアマンの伝えたい神への思いが訳文にはうまくあらわせていないように思いました。
モハメド・アリ かけがえのない日々 [DVD]
イスラム教に改宗しカシアス・クレイから改名したモハメド・アリが、ザイールのキンシャサでジョージ・フォアマンと対戦する経緯を捉えたドキュメント映画である。
この映画はボクシングの映画ではない。モハメド・アリを通して様々な角度から黒人社会を見つめている。アメリカとアフリカにおける黒人社会の差異、モハメド・アリがベトナム戦争従軍を拒否したために王座を剥奪された上に服役したエピソード、アリとフォアマンという2人の黒人が独立間もないザイールで民衆の支持に関して対照的な境遇となる、更にはベルギーから独立を果たしたザイールの不安定な政治状況等。当事者自身やジョージ・プリンプトン、ノーマン・メイラーなどジャーナリストの話を交えて紹介されている。
この試合をプロモートしたドン・キングはジェームス・ブラウンやBBキングといった大物アーティストを招聘し、試合前の2日間現地のアーティストを交えてコンサートを行わせた。そのライブシーンも豊富に流されている。圧倒的な迫力のあるライブ映像は怒気迫るものを感じさせる。正にスポーツと音楽による意思表明である。リスキーで悪辣な手腕が非難されると同時に、そのプロモーティングの才能が一躍認められるようになるドン・キングも影の主役といえるかもしらない。
映画最終部分では圧倒的にジョージ・フォアマン優位の下馬評のなかモハメッド・アリは奇策を用いフォアマンを下し黒人世界を越えた英雄となる。
ザ・ビートルズ / リメンバー ―親友クラウス・フォアマンが語る本当のビートルズ (ノーウェア/ザ・ビートルズ決定版シリーズ)
文自体は決して上手ではないし、読みやすいとも思えない。
でも一つ一つのエピソードが短く(連載集約本だから)、
時間の合間に気軽に読み進められました。
それにしてもこの人はこんなにも彼らにとって身近な人だったのかと
思わされるようなエピソードの連続で、かなりおもしろかったですね。
よくこんなにいろんなことを覚えているなぁと感心。
リボルバージャケとか、いろんな裏話が満載なので、ファンの方はぜひ。
厚い割には重さの軽い本なので持ち歩いても苦にならず、病院の待合室等
でも読んでいた私です。
ソウル・パワー [DVD]
ライブ映像には、あまり期待しない方がいいかも知れません。
収録曲が少ない上に、個人的には、映像からは「聴衆の熱狂ぶり」といったものが伝わってきませんでした(彼らにしてみれば、ソウルやブルースは、「アメリカナイズされた亜流の黒人音楽」という感覚なんですかね・・・)。
主催者側が張り切った割にはウケがイマイチ、といった印象すら受けました。
また、主催者側中心の編集にも、違和感がありました。
「アリの政治的な発言」や、「会場の設営シーン」などは、ムダとは言わないまでも、短縮すべきだったのでは・・・。
極論すれば、この映画自体、主催者の自己満足に過ぎない、という気さえします(少なくとも、ライブ開催の苦労話を延々語ったりするのは興ざめです)。
聴衆のインタビューなど、ライブの受け手の描写をもっと増やせば、ドキュメンタリーとしての評価は高まったのではないでしょうか。
もっとも、冒頭に書いた様に、資料・記録としては大変貴重です。ブラックミュージック好きならコレクションに加えても悪くない、とは思います。
ヘビー級王者最強伝説 ザ・トップテン [DVD]
ロッキー・バルボア、幕之内選手のアノ技、の題材となったチャンピオンが登場します。モノクロのお宝画像的なものが多く、収録時間もべらぼうに長いため、全部通して見るのは無理かと思いますが、往年のスーパースターをよく知る方には貴重な映像だと思います。個人的にはモハメド・アリの全盛期のファイトも収録して欲しかったナ。