デュアン・サーク2 14 (電撃文庫 ふ 1-60)
13巻が発売されてはや6ヶ月。待望の14巻が発売されました。
12巻辺りからレビューを書いているので、今回もレビューを書いてみようと思います。
前回よりも場面があっちこっちに飛ぶ頻度も少なかったと思いますが、やはり今回も
飛びはします。
しかし、今回は「今の状況になるまでの経緯」が書かれている事が多かったので、
前回の話や今までの話を忘れていても「あぁ、そういえばそうだった!」と思い出せるような
配慮がされていて良かったと思います。
又、前回は急ぎ足な描写が多く、それぞれの場面がぶつ切り状態のまま違う場面に飛ぶ事が
多かったのですが、今回は1つ1つの場面にある程度区切りをつけた状態で場面が飛ぶので、
冒険パートも戦争パートもじっくり落ち着いて読む事が出来ました。
今回はそれぞれのキャラクターの成長が分かる場面も多く、なかなか出番が無かった
キャラクターも一気に動き始めます(今回ルルフェの登場はありません)。
意外なキャラクターが意外なところで登場し、活躍していたので私も驚きました。
内容を大まかに分けると、冒険パートと戦争パートが大体半々といった感じでしょうか。
今回のデュアンは「勇者デュアン」ではなく「冒険者デュアン」といった、勇者と呼ばれる前の
デュアンっぽい描写で書かれている場面が多かったので、彼の出てくる冒険パートはシリーズ中期の
冒険の空気が感じられて懐かしさを感じると同時にワクワクしました。
その他の冒険パートでもシリアスの中に所々コミカルな場面が出てくる事が多く、それが丁度良い
息抜きになりましたね。
コミカルな場面での挿絵は絵柄がギャグという訳ではありませんが、文章と合わせると自然と
ギャグっぽく見えるのが不思議です。
しかし、戦争パートの雰囲気は相変わらず重く、とても緊迫しています。
ただ、その中にも大きな流れの変化があった事は確かです。
物語もとうとう大詰めとなってまいりました。
奇跡と絶望が入り混じる壮絶な戦いがどのような終わりを迎えるかは想像もつきませんが、
物語は確実に終わりへと近付いています。
この巻は勇者デュアンとその仲間達が繰り広げる冒険譚の終わりには欠かす事の出来ないものです。
14年間続いたシリーズの終幕を見届けたいと思う方は、その準備の為に14巻を読んでみては
どうでしょうか。
デュアン・サーク2〈13〉―導くもの、導かざるもの〈下〉 (電撃文庫)
「導くもの、導かざるもの<中>」で13巻が最終巻だと匂わせるような文章やフレーズが
書かれていたので13巻の発売をずっと待っていました。
そうしたら近々発売するという事が分かったので早速こちらで購入しました。
タイトルの嬉しい誤算の理由は最後にて。
今作を読んだ感想ですが、前回が最終巻への準備段階ならば、今作は行動に移し始めた段階、
という感じでしょうか。今作の方が話もキャラクターもよく動いていました。
懐かしいキャラクターも登場するので、第一期からのファンとしては嬉しい限りですね。
相変わらず重苦しい空気が流れる場面はあるものの、メインキャラクターとサブキャラクターの
描写も前回よりバランス良く書かれている上に、全体的にキャラクターが明るくなっていたりして、
前回よりもサラリと読めたように思います。
ただ、バランス良くキャラクターを追うあまり、描写される場面も割と頻繁に変わるので、
少々詰め込み過ぎという印象も受けました。
それでも、個人的には前回よりも変化があって良かったと思いましたけどね。
因みにズーニョは今作も名前のみの登場となります。
あと、戸部氏の絵も若干キャラクターの描き方が変わった気がしました。特に男性陣。
嬉しい誤算について。
それは前回で濃厚だった13巻最終章説を筆者の深沢氏自身が覆した事です。
今作を読んでいて話の進み方が遅い気がして変だなとは思ったのですが、後書きで深沢氏が
ハッキリとクライマックスは持ち越しだと書いているのを見て、驚いたと同時に「なるほど」と
納得しました。
今作が最終巻だと思って購入したので最初こそは肩透かしを喰らった気分でしたが、書きたい事が
まだまだあるんだという想い、そして中途半端なラストにしたくないという気持ちが後書きから
伝わってきたので、そういった深沢氏の姿勢はとても好感が持てました。
やはり一ファンとしては好きなシリーズが終わってしまうのは寂しい事。
そういう意味もあり、私にとってクライマックス持ち越しは嬉しい誤算という訳なのでした。
今作は若干急ぎ足な部分もありますが、12巻のメインキャラクターの描写の少なさにガッカリした方
にとって13巻はその不足分を補うのに丁度良いと思いますので、そういう方はこの13巻をお手に
取ってみては如何でしょうか。
サーク1・2 【PCエンジン】
PCからの移植ですが自分は知りません。イース1-2と同じようにカップリングで発売されましたが、グラフィック、音楽、サクサク感、同じようなゲームのイースと比べるとかなり落ちます。
デュアン・サークII(15) 永遠の約束、それぞれの旅立ち<下> (電撃文庫)
デュアンサークは全部読みました。15年間の長期連載お疲れ様でした。フォーチュンクエストでデュアン君の子孫が出てくると面白いですね。
ダグラス・サーク コレクション 2 (初回限定生産) [DVD]
1950年代に作られた映画のDVD化ということで、画質はどのぐらいのものか気になっていましたが・・・。
これが期待以上の鮮明さ(特に発色が鮮やか!)で、いままでDVDの画質に悩まされてきたかたにも、満足のいく画質です。
それと、映画自体が素晴らしいのは言うまでもないことですが・・・。
特典付録もまた、たいへん素晴らしい内容です。
全72ページの特典付録には、
■ダグラスサーク氏御本人・関係者のコメント(ロングインタビューもあります)
■作品の概要(スタッフリストの詳細もある親切な内容)
■本人のバイオグラフィー(これまた詳しい内容)
が収録されていて、よくある「おまけ」というレベルではなく、ちょっとした小冊子になっています。
内容の量では既発の発言集「サーク・オン・サーク」には(さすがに)劣りますが、貴重なインタビューなども収録されている、サーク氏を知るにはもってこいの小冊子です。
ボックスセットにしては1作品の単価が少々高めですが、『画質』と『付録の質の高さ』を考えると、この価格でも満足できる内容となっています。
御託はここまでにして(すみません)。
いままで観ることのできなかったダグラス・サーク氏の作品が3つも観られるというだけで、うれしいかぎりです・・・。