菊と刀―定訳 (現代教養文庫 A 501)
日本人の民族性を、文化人類学を援用して分析し、その行動の裏側にある心理的な裏づけについて述べている大作です。最も印象的かつ衝撃的であったのは、日本人にとって空気のように当たり前で自然に思ったり感じたりしている、恩、義理、人情、恥、などの概念がアメリカには無い、というところです。そして更にそれら概念の心理的な構造を明らかにし、アメリカ人はそんなものが無くても、普通に暮らして行けているのに、日本人はそれら概念に生まれつき苦しめられている、という点です。もちろん21世紀の、特に都会では、それら概念が希薄になりつつあるとはいえ、やはり日本人同士のコミュニケーションの現場では、意識にのぼらない意識として常識化していることを考えれば、本書の存在意義は今も絶大だと思います。また、出てくる事例が古い(第二次大戦前の日本の状態である)ので、ある意味昔の日本の文化的な歴史を知る本としての意味もあります。
余談ですが、本書は通常、日本人論あるいは日本社会論を著した本、と捉えられていると思いますが、私がこの本で最も刺激的で楽しかったのは、日本以外の文化(主に著者の国であるアメリカ)について、断片的ながらもその様子を知ることが出来たことでした。
アメイジング・グレイス [DVD]
時はフランス大革命を挟む数十年。彼は、若くして首相になるウィリアム・ピット(小ピット)の親友でもあった。裕福な家に生まれ育った彼であったが、ピットに議員としての政治への道に誘われた時に苦悶する。彼はすでに宗教的な霊感を受けており、現世の汚濁にまみれた政治の世界に深入りするか、むしろ宗教の世界に立ち返るか思い悩む。
彼はかつて教えを乞うたジョン・ニュートン牧師の門を再び叩く。牧師はかつてアフリカからカリブ諸島に向かう奴隷船の船長をしていたが、その罪を恥じ、質素な生活をしていた。牧師は、かの「アメイジング・グレイス」の作詞者でもあった。牧師の感化も受け、ウィリアムは奴隷解放に向けての政治活動に乗り出す決心をする。
首相ピットの知遇は得ていたものの、奴隷制度に依存する西インド諸島でのプランテーションから得られる利権にまみれた多くの議員が占拠する議会の中での彼とその仲間たちの活動は、議会内で最初は数名の支持しか得られない。ウィルバーフォースとその仲間たちは、奴隷たちの置かれた惨状についての証言集めや広報・署名活動に身を投じ、何度法案を否決されようと、少しずつ支持者を増やしていく。
カリブ海は、イギリス、フランスの利権が複雑に絡みあう土地だったが、フランス革命の勃発で、ウィルバーフォース派は売国奴とのレッテルを貼られる危機を迎える。
それを彼らがいかに乗り越えていくかは、映画を見てのお楽しみということにしておきたい。
最後通告 [VHS]
子供たちがとつぜん行方不明になり、
「世界中の人が戦争をやめないかぎり、
ぼくらはもう帰ってきません」
という意味の手紙が子供たちの親宛に届く、
という不思議なお話です。
無理難題をふっかけられた親たちは、
お互いの利害に汲々としながら子供
たちを取り返そうと、悪戦苦闘します。
寓意やメッセージ性が先走った内容でなく、
ミステリーとしての面白さと、
ファンタジー性をあわせ持った映画です。
言葉数少ない映画、ストーリーと映像ですべて
表現するタイプの映画が好きな方むきで、
わかりやすい説明がないと、不可思議な
設定に納得いかない、という方には不向きです。
ラストの、子供たちがわいわい集まってる
シーンが好き!!
カロ・ミオ・ベン~イタリア古典歌曲集
視聴で素敵だったので購入しました。
声楽を習い始めたばかりの私には、イタリア歌曲の教則本のようなナンバーが魅力的でした。
スミ・ジョーの透明感ある素直な声にうっとり。しかも技術もある!
安価だけれども良質。スバラシイ!!!
V [ビジター] 〈ファースト・シーズン〉Vol.1 [DVD]
Vol.1は低価格だったので試しに購入したのですが、第一話を見終わらないうちにビジターの残りのDVDを購入したくなりました。ストーリー展開といい、映像の見事さといい「これが本当にテレビ番組なの!?」と興奮が冷めやらないまま、あっという間に一巻観終わってしまいました。もちろんVol.2以降も即注文しました。まだ観てない方は是非Vol.1をお試しあれ!